北アルプス常念小屋 小屋番日記: 「ヒエ平登山口」という、間違った表記について。

2012年7月2日月曜日

「ヒエ平登山口」という、間違った表記について。


こんにちは。常念小屋番のきょうのすけです。本日は、実際には存在しない、「ヒエ平登山口」という間違った表記についてのお話です。

北アルプス、常念岳に関する一部のルートマップやガイドブックに、「ヒエ平登山口」という、実際には存在しない登山口名称が見受けられることがあります。この間違った表記は、一の沢登山道への一般駐車場付近に使用されていますが、そのような名称の登山口は、今だかつて存在したことがないそうです。なぜ、そのような表記が使用されるようになったかは定かではないようで、地元の人々は不思議がっています。

この事からか、常念小屋からの「どちらの登山ルートからいらっしゃいますか?」と言う質問に、「ヒエ平から。」というお答えが多くありますが、地元の物知りな長老に話を伺ったところ、「ヒエ平登山口というものはない。」というお話でした。長老によると、「ヒエ平」という地籍は実際に存在していますが、これは「いこいの森」から12km地点にある「わさび沢」という沢に、東京電力の鉄塔送電線が設置されている付近を指して使われているという事です。

以上、実際には存在しない、「ヒエ平登山口」という謎の表記についてのお話でした。このお話に関して、何か分からないことがございましたら、どうぞ小屋までお問い合わせ下さい。